ナフサ不足で何がなくなる?

ナフサ不足 何がなくなる 生活

ナフサ不足が長期化した場合に、生活・店頭・産業から何がなくなる・減るかを広く整理します。

ただし「すべて」を完全に列挙するのは不可能です。ナフサ由来の石油化学製品は、包装、衣類、家電、自動車、医療、建築、農業資材まで広く使われているからです。

ここでは、現実に影響が出やすいものを、できるだけ広く分類して書きます。

ナフサ不足が長期化すると、まず減るのは、プラスチック、合成繊維、合成ゴム、合成洗剤、塗料、接着剤、包装材、不織布を使う商品です。

ナフサからは、エチレン、プロピレン、ブタジエン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの石油化学基礎製品が作られます。そこから、プラスチック、合成繊維、合成ゴム、合成洗剤、塗料などにつながります。つまり、ナフサ不足は「プラスチックだけの問題」ではありません。

影響が出やすいもの一覧

分野減りやすいもの理由
食品まわり個包装、食品トレー、カップ麺容器、冷凍食品の袋、レトルト包装フィルム、トレー、印刷、接着剤を使う
日用品ラップ、保存袋、ポリ袋、ゴミ袋、詰め替えパウチプラスチックフィルムを多く使う
洗剤・衛生用品洗剤、柔軟剤、シャンプー、ボディソープ、詰め替え商品容器、パウチ、界面活性剤に関係する
不織布製品マスク、ウェットシート、掃除シート、紙おむつ、生理用品ポリプロピレン不織布やフィルムを使う
使い捨て品スプーン、フォーク、ストロー、弁当容器、使い捨て手袋代替されやすく、削られやすい
衣類ポリエステル衣類、ナイロン製品、フリース、スポーツウェア合成繊維の原料に関係する
ゴム製品タイヤ、ゴム手袋、ホース、パッキン、靴底合成ゴムに関係する
家電・電子機器スマホ部品、パソコン部品、テレビ、充電器、ケーブル樹脂部品、絶縁材、接着剤を使う
自動車バンパー、内装材、シート、樹脂部品、タイヤプラスチック・合成ゴムを大量に使う
医療用品注射器、点滴バッグ、医療用手袋、チューブ、包装材衛生用プラスチックの需要が大きい
建築・DIY塗料、接着剤、断熱材、配管、床材、壁紙樹脂、溶剤、合成素材を使う
農業・園芸農業用フィルム、肥料袋、育苗ポット、ホースフィルムや樹脂製品が多い
文具・雑貨クリアファイル、ボールペン、テープ、収納ケース安価な樹脂製品が多い
梱包・物流緩衝材、梱包フィルム、PPバンド、発泡スチロール配送資材に石油化学製品が多い

食品売り場で減りやすいもの

食品そのものより、まず影響を受けやすいのは包装です。

減りやすいのは、次のものです。

  • 個包装のお菓子
  • カップ麺の容器
  • 冷凍食品の袋
  • レトルト食品のパウチ
  • 惣菜トレー
  • 弁当容器
  • ヨーグルトやプリンのプラスチックカップ
  • ペットボトル飲料
  • ラベルやキャップ
  • 派手なカラー印刷パッケージ

食品の中身が作れても、包装が足りなければ店頭には並べにくくなります。
そのため、ナフサ不足が長期化すると、包装材を多く使う食品から減ると考えられます。

スーパー・コンビニで減りやすいもの

スーパーやコンビニでは、使い捨て系が減りやすいです。

  • レジ袋
  • 小分け袋
  • 使い捨てスプーン
  • フォーク
  • ストロー
  • 弁当容器
  • 惣菜トレー
  • カップ飲料のフタ
  • ホットスナックの包装
  • おにぎり・サンドイッチのフィルム包装

このあたりは代替しやすいため、長期化すれば、紙製・簡易包装・持参前提に変わりやすいです。

ドラッグストアで減りやすいもの

ドラッグストアでは、かなり広く影響が出ます。

  • 洗剤
  • 柔軟剤
  • シャンプー
  • ボディソープ
  • ハンドソープ
  • 消臭剤
  • 芳香剤
  • 詰め替えパウチ
  • ウェットシート
  • 汗拭きシート
  • メイク落としシート
  • マスク
  • 使い捨て手袋
  • 紙おむつ
  • 生理用品

この中で特に先に減りやすいのは、香り違い、限定品、大容量パウチ、厚手タイプ、色付きマスク、柄付きマスクです。

洗剤そのものより、まずは種類が減ります。
「いつもの商品はあるが、いつもの香りがない」
「本体はあるが、詰め替えがない」
「大容量だけない」
こういう形が起こりやすいです。

100均・ホームセンターで減りやすいもの

100均やホームセンターは、ナフサ不足の影響を受けやすい場所です。

  • プラスチック収納ケース
  • 洗濯かご
  • ハンガー
  • バケツ
  • ゴミ箱
  • クリアファイル
  • ボールペン
  • テープ
  • 結束バンド
  • 掃除ブラシ
  • スポンジ
  • ホース
  • ゴム手袋
  • 接着剤
  • 塗料
  • スプレー用品
  • プラスチック製おもちゃ
  • 園芸用ポット
  • 防草シート
  • 農業用フィルム

100均商品は、安価な樹脂製品が多いです。
原料が足りない状態が続くと、低価格で大量に売る商品ほど維持しにくくなります。

衣類で減りやすいもの

ナフサ不足は、衣類にも関係します。

減りやすいのは、天然素材よりも合成繊維の衣類です。

  • ポリエステルTシャツ
  • ナイロンジャケット
  • フリース
  • スポーツウェア
  • インナー
  • 靴下
  • レギンス
  • 作業着
  • 雨具
  • バッグ
  • スニーカーの樹脂部品
  • 靴底

石油化学製品は、合成繊維やゴム製品にも使われます。ナフサから作られる中間製品は、衣料品やスポーツ用品にも使われています。

衣類では、まず安価な大量生産品、色違い、季節限定品、機能性素材の商品が減りやすいです。

家電・スマホ・パソコンで減りやすいもの

ナフサ不足が長期化すると、家電や電子機器にも影響します。

減りやすい、または作りにくくなるのは、

  • スマホケース
  • 充電ケーブル
  • イヤホン
  • 充電器
  • リモコン
  • パソコンの樹脂部品
  • テレビの外装
  • 家電の内部部品
  • 絶縁材
  • 接着剤
  • フィルム部材
  • 半導体関連の化学材料

ナフサ由来の石油化学製品は、パソコン、携帯電話、テレビ、家電製品、自動車部品などにも使われています。

つまり、完成品が丸ごと消えるというより、部品不足で一部モデルが作りにくくなる可能性があります。

自動車・自転車・バイクで減りやすいもの

自動車も石油化学製品のかたまりです。

影響が出やすいのは、

  • タイヤ
  • バンパー
  • 内装材
  • シート
  • 樹脂パネル
  • ワイヤーハーネスの被覆
  • ゴムパッキン
  • ホース
  • 接着剤
  • 塗料
  • 樹脂製ライト部品

ナフサ分解による化学品は、自動車や電機電子産業などの競争力の源泉になっていると経済産業省の資料でも説明されています。

長期化すれば、車そのものが全部なくなるというより、納期遅れ、修理部品不足、特定グレードの生産停止が起こりやすくなります。

医療・介護で減りやすいもの

医療用品も影響を受けます。

  • 注射器
  • 点滴バッグ
  • 医療用チューブ
  • 医療用手袋
  • マスク
  • ガウン
  • 消毒用品の容器
  • 薬のPTP包装
  • 医療機器の樹脂部品
  • 介護用おむつ
  • 介護用シート

医療現場では、注射器、手袋、点滴バッグなどにもプラスチックが使われると説明されています。

医療用品は優先される可能性が高いですが、ナフサ不足がかなり長引けば、一般向け商品より医療向けに材料が回されるため、ドラッグストア品や家庭用品のほうが先に薄くなる可能性があります。

建築・住宅・DIYで減りやすいもの

住宅や建築資材にも影響します。

  • 塩ビ管
  • 樹脂サッシ部材
  • 壁紙
  • 床材
  • 断熱材
  • 防水シート
  • 接着剤
  • コーキング材
  • 塗料
  • ウレタンフォーム
  • 樹脂系補修材
  • 電線の被覆

建築では、プラスチック、合成ゴム、塗料、接着剤が多く使われます。
長期化すると、リフォーム、修繕、建築工事の部材が入りにくくなる可能性があります。

農業・食品生産で減りやすいもの

農業にも影響します。

  • 農業用ビニール
  • マルチフィルム
  • 育苗ポット
  • 肥料袋
  • 農薬容器
  • ホース
  • 防草シート
  • 収穫用コンテナ
  • 食品梱包材

農産物そのものより、作る・運ぶ・包むための資材が不足しやすくなります。
その結果、野菜や果物の出荷方法、包装、流通にも影響が出る可能性があります。

物流・通販で減りやすいもの

物流では、梱包資材が問題になります。

  • エアクッション
  • プチプチ
  • 梱包フィルム
  • PPバンド
  • 発泡スチロール
  • 粘着テープ
  • 宅配袋
  • 緩衝材
  • ラベル
  • ストレッチフィルム

通販では、商品そのものより梱包資材不足で影響が出る可能性があります。
簡易包装、まとめ配送、箱サイズの統一が進むと考えられます。

ガソリン・灯油・軽油はどうなるか

ナフサ不足が、単なる石油化学原料の不足にとどまるなら、燃料への影響は限定的です。

ただし、ナフサ不足の背景にある問題が、原油輸入、製油所の稼働、物流、海上輸送の停滞まで広がるなら、ガソリン、灯油、軽油にも影響が出ます。

その場合に起こりやすいのは、

  • 一部地域のガソリン不足
  • 給油量の制限
  • 灯油の入荷遅れ
  • 軽油不足による物流の遅れ
  • 農業・建設機械への影響
  • 配送コスト上昇
  • 宅配や店舗補充の遅れ

です。

燃料は社会全体に関わるため、最後まで優先されやすい一方、もし不足すれば影響は非常に大きくなります。

影響が出やすい順番

ナフサ不足が長期化した場合、減りやすい順番はこうです。

順番減りやすいもの
1限定品、色違い、香り違い、季節商品
2使い捨てプラスチック製品
3個包装・派手な包装・特殊パッケージ
4詰め替えパウチ、大容量パウチ
5100均のプラスチック雑貨
6不織布製品、掃除シート、マスク
7合成繊維の安価な衣類
8ゴム製品、スポンジ、ホース
9塗料、接着剤、補修材
10家電・車・住宅設備の一部部品
11医療・介護用品の一般向け商品
12燃料、物流、建築、農業など社会インフラ系

まとめ

ナフサ不足が長期化すると、なくなりやすいものは、かなり広いです。

特に影響が出やすいのは、次の分野です。

  • プラスチック製品
  • 食品包装
  • レジ袋・ポリ袋・ラップ
  • 詰め替えパウチ
  • 洗剤・シャンプー・柔軟剤
  • マスク・ウェットシート・紙おむつ・生理用品
  • 合成繊維の衣類
  • ゴム製品
  • 塗料・接着剤
  • 100均雑貨
  • 家電や自動車の樹脂部品
  • 医療用品
  • 建築資材
  • 農業資材
  • 梱包資材
  • ガソリン・灯油・軽油などの燃料

一言でいうと、ナフサ不足が長期化すると、「石油から作る素材に支えられているもの」から順番に減っていくと考えられます。

最初に消えやすいのは、使い捨て品、限定品、包装材、100均系の樹脂商品です。
その後、長期化が深くなるほど、衣類、ゴム製品、家電部品、自動車部品、医療用品、建築資材、物流資材、燃料へと影響が広がると予測できます。

「それなら今のうち買いだめして備えた方がいいんじゃないか?」と思う方もいるでしょう。買いだめについては以下の記事に書いたので参考にしてみてください。

ナフサ不足の買いだめについて|長期化した場合の現実的な備え方
結論から言うと、ナフサ不足を理由に、日用品を大量に買いだめする必要はありません。ただし、普段から使う消耗品を「少し多め」に持っておくのはありです。目安としては、持つとしても最大で1〜2か月分くらい。それ以上の大量買いだめは、保管場所を圧迫す…
ナフサとガソリンの違いをわかりやすく解説【図解あり】
ナフサとガソリンの違いは、ナフサは化学製品を作るための原料で、ガソリンはエンジンで燃やすために品質調整された燃料という点です。どちらも原油から作られる軽い石油製品です。ただし、使い道が違います。ナフサは、プラスチックや合成繊維などを作るため…
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